センチュリー豊中名曲シリーズVol.6は
チェリスト、鈴木秀美さんを迎えて。
その音楽の魅力に迫るインタビュー

 古楽器奏者として、チェロと指揮の両面から日本の音楽界を牽引する鈴木秀美さんと、日本センチュリー交響楽団の共演が実現します。鈴木秀美さんと言えばフランス・ブリュッヘン〔リコーダー〕が率いた18世紀オーケストラや、シギスヴァルト・クイケン〔バロック・ヴァイオリン〕らによるラ・プティット・バンド、そして兄である鈴木雅明〔指揮、オルガン、チェンバロ〕率いるバッハ・コレギウム・ジャパンなどの活動を通じて、古楽の在り方と魅力を追求し続けてきた存在。近年ではオリジナル楽器を用いて古典派音楽を専門に演奏する、オーケストラ・リベラ・クラシカを主宰しつつ、山形交響楽団の首席客演指揮者としても活躍しています。その新鮮な音楽のファンはセンチュリーの中にも数多く、今回はまさに待望の共演とも呼べるもの。センチュリーでは公演に先立って、鈴木秀美さんにインタビューを行いました。深い学識と音楽への愛に溢れた言葉の数々をじっくりと味わってください。

■今回のコンサートはボッケリーニのコンチェルトから始まります。鈴木さんがたびたび取り上げて来た作曲家ですが、このあとに演奏されるモーツァルトやベートーヴェンなどに比べると古典派の中でも一般的には、あまりなじみのない作曲家だと思われます。ボッケリーニの魅力や重要性、そして今回のチェロ協奏曲の聴きどころについて、教えていただけますか?

ボッケリーニ(1743-1805)のブロンズ像(マドリッド)

 ボッケリーニは室内楽において最も力を発揮した作曲家ですが、まずは歴史上もっとも優れたチェロ奏者であり、チェロを弾く人・愛する人なら誰でもその魅力と価値をよく理解しておくべき人です。
 私達が「古典派」というとき、それはほぼ自動的にウィーン古典派を指しています。ボッケリーニはハイドンの11歳年下で同時代の作曲家ではありますが、イタリアのルッカ生まれ、後半生はスペインのドン・ルイス皇子付き作曲家・演奏家としてマドリッドからも離れた地で過ごしたため、その作風や目指すところはずいぶん異なっています。ハイドンやモーツァルトと同じように考えるべきではありませんし、ウィーンのものだけが古典派の「美」とは限らないのです。日本中のみならず世界各地でも、ボッケリーニのことが誤解されがちであることを悲しく思います。

ドン・ルイス皇子の家族(1783年、ゴヤ画)
左脇の画家はゴヤ自身、右から3人目で立って腕組みしているのがボッケリーニと思われる。

 ウィーン古典派に顕著なのは「構造美」で、私達は小さなモチーフや主たるテーマが巨大な建造物になってゆくのを楽しみます。しかしボッケリーニでは必ずしもそのような発展をするとは限りません。今回のコンチェルトは、何と言ってもそのラテン的で底抜けに明るい解放感・色彩感が特徴で、チェロが楽々と歌いやすいようにできています。高音域で旋律を弾くとき、通奏低音の役割をするのは第1ヴァイオリンです。第2楽章はとぼとぼ歩くヴァイオリンのバスに乗ってチェロが綿々と旋律を奏でますが、繰り返されたときに即興的装飾を加えるのも楽しみのひとつです。この楽章は、グリュツマッヒャーという19世紀後期のチェリストによってひどく改竄された変ロ長調コンチェルトの第2楽章として知られていますが、原曲はこちらです。

■そのボッケリーニは鈴木さんの弾き振りです。ひとつのコンサートでソリストと指揮者の両方を務めることには、むずかしさも楽しさもあると思うのですが、そのあたりについてお話しを聞かせてください。例えば、1曲目にコンチェルトを持って来ているのは、やはり腕に負担をかけないため、などの配慮でしょうか。

 指揮は、多かれ少なかれ腕を振り回す仕事ですので、どうしても血が指先に集まってしまいます。楽器を弾くことによって指先が敏感になるのとは異なって、指が太ったような感じになりますので、そこは確かに難しいところです。コンサートをコンチェルトで始めるのはそれを避けるためでもありますが、前述のように、ボッケリーニをウィーンの音楽と混ぜないという音楽的意味も持っています。イタリア・スペインに行ってからドイツ・オーストリアに行く旅のようなものです。
 指揮者なしでソロをするのはリハーサルの事なども考えると簡単ではありませんが、指揮者を介さず、室内楽のように各パートと親密な関係になり得るのがうれしく楽しいところです。今回も皆さんとの時間を楽しみにしています。

オーケストラ・リベラ・クラシカ第33回定期演奏会(2014年6月15日)

■鈴木さんが指揮をした2016年の山形交響楽団の大阪公演を聴かせていただきました。山響は8型のオーケストラで、ナチュラル・ホルンやナチュラル・トランペット、木のフルートなどの響きが特徴的でとても新鮮でした。センチュリーは室内楽的な響きのオーケストラですが、それでも10型ですし、モダン楽器を使用しています。そうした中で、今回のモーツァルト(第35番「ハフナー」)やベートーヴェン(第8番)といった古典派プログラムをどんな風に聴かせていくか、鈴木さんの狙いなどを教えていただきたいと思います。

 山形交響楽団は金管楽器の仕様が特別で、それは確かに全体に大きな影響を与えますが、楽器は皆モダンです。各オーケストラには楽器だけではなくそれぞれの音色や動き方があり、その声で何を語るか、答えは千差万別です。
 18世紀~19世紀初頭にかけてのオーケストラの記録をみますと、必ずしも現在私達がアタリマエと思っている配置や人数・割合ではないことに驚かされます。今回の「ハフナー」ではありませんが、モーツァルトはパリやマンハイムで大きなサイズのオーケストラも経験しています。自分で「アカデミー」と称する演奏会を催したベートーヴェンの方が、オーケストラの人数は少ないことが多かったかもしれません。
 この時代の音楽を演奏する時には、そういった当時の資料や現在の演奏会の実情、使う楽器の状態やホールのサイズなど、様々な要素を考え合わせなければなりません。今回私は日本センチュリー交響楽団と初めての仕事ですから、多くの人と顔を合わせたい、一緒に音を出したいという思いもあります。

■センチュリーのホームグラウンドである豊中市立文化芸術センター大ホール(1344席)で鈴木さんの演奏が聴けることになり、うれしく思います。聴きに来られる人たちにメッセージをお願いします。

 このホールでは今回初めて演奏します。日本には素晴らしいホールが本当にたくさんあり、そのひとつでまた新しい経験ができることを有難く思っています。
 オーケストラの皆さんと同じく、私もいわゆるモダンの楽器と弓を用いますが、弦はガット弦です。また経験から、エンドピンはない方が音楽的に得るものが大きいので使いません。エンドピンがないからといって「バロック」ではないので、お間違いのないようにお願い致します。19世紀終わりか20世紀初頭まで、チェロにピンがないのは普通のことでした。
 弦の選択やピンの有無は誰でもできること、自分の楽器の「あり方」のチョイスです。私のそういった選択が音楽に良い結果をもたらしますように、そしてそれがこの大きなホールでも隅々まで届きますように、と願っています。

チェロを弾く
ボッケリーニの肖像画
豊中市立文化芸術センター大ホール(1344席)

 鈴木秀美さんのインタビュー、いかがでしたでしょうか。繰り返し読むにふさわしい、味わい深い内容をお楽しみいただけたことと思います。さて、今回の共演は豊中オーケストラフェスタの一環。このタイトルのもと、指揮とヴァイオリンに音楽監督オーギュスタン・デュメイを迎える〈関西フィルハーモニー管弦楽団 豊中特別演奏会〉〔5月10日(木)〕、指揮とチェロに鈴木秀美さんを迎える〈日本センチュリー交響楽団センチュリー豊中名曲シリーズVol.6〉〔5月26日(土)〕、そして指揮とホルンにラデク・バボラークを迎える〈山形交響楽団さくらんぼコンサート2018大阪公演〉〔6月22日(金)〕の3公演が行われ、国際的な指揮者、ソリストが率いる個性豊かなオーケストラが豊中文化芸術センターに集います。それぞれの公演ごとにチケットはお求めいただけますが、お得な3公演セット券もただ今発売中。詳しくは豊中市立文化芸術センターチケットオフィス06-6864-5000まで、お問い合わせください。

豊中名曲シリーズVol.6

2018年5月26日(土)

15:00開演(14:15開場)

 平昌オリンピックでは、稀にみるハイレベルな戦いが繰り広げられたフィギュアスケート男女シングル。何といっても羽生結弦の金メダル連覇は感動的だった。大怪我からぶっつけ本番での圧倒的な演技は、信じ難いほどの精神力の強さを見せつけた。その日旅先の宿で固唾を飲んで試合を観ていた僕は、羽生の金メダルが決まった瞬間、ワインを開けて一人で乾杯した。たまたまあった牛ロースを焼いてアフタヌーンディナーとなってしまった。昨年末、復活を祈って、ファンの聖地となっている結弦羽神社に参拝した甲斐があったというものだ!(3月にお礼参りもしてきました!!)
 フィギュアファンならずとも、誰かに何かを語らなければ気が済まない、そんな感動の余韻の残る印象深い大会だった。

ユズリストの聖地、結弦羽神社(神戸市)
金メダル祝いのアフタヌーンディナー

 エキシビションやアイスショーなどのエンターテイメントより、張り詰めた緊張感の中で最高の技と演技で戦う競技会が僕は好きだ。リンクに立つまでには、曲選びと編集、衣装のデザイン作製などの作業、また、振付師、複数のコーチ、靴と刃の調整師など多くのスペシャリストが不可欠だ。まさに総合芸術、オペラさながらである。大勢の観客と世界中のファンが見守るなか、あまたの思いを背負って一人で滑る選手の胸中はどのようなものであろうか?

 僕がフィギュアスケートを熱心に観るようになったきっかけは、カルガリー五輪(1988)で驚異的なジャンプを跳ぶ伊藤みどりに衝撃を受けたからである。何だこの迫力と躍動感は!フィギュアスケートってこういうスポーツだったのか! メディアで「台風ガール」と呼ばれていた彼女は、女子フィギュアという競技の概念をも吹き飛ばしてしまった。1991年、広島で開かれたNHK杯を生で観戦する機会があった。彼女の演技は圧巻で、トリプルアクセルを完璧に降りた。中盤パンクして1回転になったジャンプも、あまりの高さに驚いた程だ。スピードやエッジワークがダイレクトに分かり、間近で聞こえる氷を削るシュッという音が何とも言えず心地良かった。
 アルベールビル五輪(1992)でのトリプルアクセル成功は、今思い出しても胸が熱くなる。それは演技の終盤、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番第3楽章の一番盛り上がる所で跳んだ常識破りのトリプルアクセルだった。このフリープログラムはラフマニノフのピアノ協奏曲第1番で演じ始められる。当初はこの「第1番」のみを使う予定だったのだが、それだとあまりにもマイナーな印象を与えてしまい盛り上がりに欠けるのではという懸念から、「第2番」の第3楽章を後半に組み込んだということだ。結果大正解となった。しかしこれでは「第1番」の面目丸つぶれではではないか?実際コンサートプログラムとしてもめったに取り上げられない「第1番」であるが、冒頭のカデンツァの下降音形から「水曜ロードショー」を彷彿とさせる主題など、いかにもラフマニノフらしい風情があるので、ぜひ一度聴いていただきたいと思う。

伊藤みどり「ジャンプの天才」
セルゲイ・ラフマニノフ(1873-1943)

 さて、伊藤みどりはショート4位から巻き返し銀メダルを獲得したが、それ以来、オリンピックでラフマニノフを使うと金メダルは獲れないというジンクスが出来てしまったようだ。しかしメダルにかかわらずこの伊藤みどりや、バンクーバー五輪(2010)・ソチ五輪(2014)での浅田真央の演技など、鮮やかに記憶に留められている。
 そして今、トリプルアクセルを継ぐ者として15才の紀平梨花が現れた。全日本ジュニアではなんとトリプルアクセルからの3回転-2回転の3連続ジャンプを決めている。頼もしい限りだ。ダイナミックで正確なジャンプとトータルで美しい滑りを期待して見守っていこう。

 定期演奏会の魅力のひとつに、ソリストを聴く、という楽しみがあります。センチュリーの2018-19シーズンは、ヨーロッパから迎える素晴らしいソリストたちとの共演からスタート。今回はそんな彼らの表情を伝えるインタビューをお届けします。2003年からウィーン・フィルの首席フルート奏者を務め、ソリストとしても最高度の評価を勝ち得ているワルター・アウアー。そして現在イギリスの音楽界に大輪の花を咲かせつつある、ヴァイオリニストのクロエ・ハンスリップ。国際舞台の第一線で活躍する彼らの言葉はとても魅力的で、時に私たちとの距離をぎゅっと縮めてくれたりします。コンサートに先駆けて彼らの素顔に触れてみるのも良し、コンサートを聴き終えてもう一度、その音楽に思いを馳せるも良し。一期一会の対話をお楽しみください。

4月5日(木)第224回定期演奏会:ワルター・アウアー

■今回アウアーさんが、日本センチュリー交響楽団と共演するカール・ライネッケのフルート協奏曲について教えてください。また、日本のお客さまには、あなたの演奏をどんな風に感じてもらえればうれしいですか?

このコンチェルトはフルート奏者のために書かれた一番の作品と言ってもよいと思います。そしてロマン派時代の最も重要な作品でもあります。ライネッケがフルートという楽器のことを知り尽くしていたことをこの作品は物語っています。彼は深い音楽性、感情、精神とともに作曲しています。彼はフルートを通じて溢れる愛の物語や(第2楽章におけるオーケストラの鼓動)、自由(第1楽章の始まりはとても自由に書かれています)、そして楽しみ(第3楽章)を表現しているのです。このコンチェルトにはソリストとオーケストラそれぞれのパートのこの上ない美しいバランスが保たれていて、第2楽章は私が自分のレパートリーの中でも最も美しいと感じるもののひとつです。考えるだけでも鳥肌がたつほどです!

聴衆の皆さまには心からこの魔法に、ロマンティックなライネッケの音楽世界に、どっぷりつかっていただければと思います。私とオーケストラが語る物語を皆さまに聴いて、感じていただきます。この物語は愛と美しさで溢れています。そして私が最も美しいと感じる第2楽章では皆さまにも私と同じように鳥肌を立てて(!)いただきたいと思います。

■アウアーさんは、すでにヨーロッパを代表するフルート奏者として高い評価を受けています。あなたが演奏家として、音楽全体に対して果たそうとしている目的や目標について教えていただけますか?

私はフルーティストとして、世界中を旅し、演奏し、教育活動も行っています。ですから異なった国や文化の中での多くの出来事を知ることができます。音楽や芸術、美しく平和で繊細な世界のために今、何かを行うべきなのは私たちである、と確信しています。現代はすべての事柄がとても機械的で冷たく、効率的で政治的になって来ていると思うのです。このような時代において、私は自分のフルートという小さな楽器や自分の音、心、魂でクラシック音楽を守り、魂(息)から生まれるフルートの音を守る義務があると感じているのです。

カール・ライネッケ(1824-1910)

将来的には、たくさんの人々が歌ったり、彼ら自身の楽器で演奏することができるようになればいいなと思っています。どのようなレベルでもよいのです。ただ音楽そのものの穏やかな力や調和を感じるだけでよいのですから。自分たち自身の鼓動や人それぞれの特別な音や旋律を発見するのです。その世界はとても彩り豊かであり、音楽もとても鮮やかです。そして何よりも大切なのは、みんなで演奏すること。それが音楽で「最も」大切だということです。

■日本の印象を教えてください。日本に滞在する時の楽しみについても。

30回ほど来日していると思いますが、日本は私の第2の故郷です。空港に着くともうすぐに「家に帰ってきた!」と感じるんですよ(入国審査の後ですが・・・笑)。音楽家としては、世界有数の素晴らしいコンサートホールがあり、すばらしい聴衆、熱心な生徒たちが存在し、そしてクラシックへの関心が非常に高い日本を愛しています。そして、私は日本の時間の感覚が大好きです!時間というものの「価値」を教えてもらいました。コンサートが時間通りに始まることも素晴らしいと思っています。私のリサイタルなど、すべてのコンサートは時間通りに始めるようにしています。とても集中できますし、準備もしっかりとできます。

また、旅行者としては、日本のバラエティに富んだ移動手段を楽しんでいます。東京の山手線のすさまじいラッシュアワーの経験はこれまで最も印象深い思い出です。新幹線や素晴らしいタクシー、たくさんの地下鉄や電車、とても効率的で時間通りです。それから日本食ほど素晴らしいものは他にはないでしょう!とてもシンプルですが、驚くほどに味わい深いラーメンや蕎麦から高級料理まで、バラエティに富んでいますね。卵かけごはんで1日をスタートすることができたら、これほど素晴らしい1日はありません!コンサートの後のおいしい生ビールは私をいつも元気付けてくれますし、一日の終りにウィスキー「響」の「おやすみ、ワルター」と言う声を聞きながら眠りにつくことほど素晴らしいことはありません(笑)。

■日本センチュリー交響楽団の定期演奏会は大阪のザ・シンフォニーホールで行われます。コンサートへの期待や抱負をうかがいたいと思います。

飯森さんとまたご一緒できることが本当に楽しみです。前回共演したコンサートで、彼がとても人を鼓舞する力を持った指揮者であることを感じました。彼にはたくさんのレパートリーがあり、多くのコンサートで指揮されていて、日本のクラシック界にはなくてはならない存在です。私はソリストとして、彼がどのように指揮をするのか正確に理解し、感じ取ることができます。彼について行き、一緒に演奏することに不安を感じる必要はまったくありません。そして私の経験から言えば、すべての指揮者がこのような雰囲気を作ることができるわけではないのです。どのようにして飯森さんと私のライネッケの音を発見していくことになるのか、とても楽しみです。

そしてもちろん、日本センチュリー交響楽団との共演やザ・シンフォニーホールでの演奏にも期待しています。誰かと初めて出逢う前の特別な時間を過ごしています。オーケストラとの最初の感触、最初の雰囲気、最初の音・・・ホールの響き、これらすべての最初の印象は決して忘れることのできないものになるでしょう。私はとても楽観的で開放的な性格です。このコンサートをとても楽しみにしています。そして演奏が終わったときにはきっと、素晴らしい音楽を創り出せているものと確信しています。
「イチバン!ライネッケコンチェルト!」

5月31日(木)第225回定期演奏会:クロエ・ハンスリップ

■ハンスリップさんは日本センチュリー交響楽団とベートーヴェンのヴァイオリン・コンチェルトで共演しますね。この有名な作品を演奏するにあたり、どのようなイメージをもって演奏しているのか教えていただけますか?

協奏曲であっても、室内楽であっても、交響曲であっても、ベートーヴェンの作品には自然のイメージが多分に含まれているといつも感じています。ヴァイオリン・コンチェルトも例外ではありません。たとえば、ヴァイオリンの出だしはまさに田舎の夜明けを私にイメージさせてくれます。

私はコンチェルトに向き合うとき、いつもそれが室内楽の大きな形態であると考えながらアプローチしているのですが、ベートーヴェンのコンチェルトで特に大切だと感じるのは、曲の中でとてもたくさんのメロディーが絡み合い、多くの場合ヴァイオリンの旋律が、オーケストラが奏でる主旋律を美しく彩っているところです。この絡み合う旋律の美しさを皆さまに感じていただければと思っています。

■あなたは若くしてイギリスを代表するヴァイオリニストとして高い評価を得ています。今後の目標や音楽家としての理想を教えていただけますか?

個人的には、常に学び続けることが大切だと思っています。なぜなら音楽の素晴らしさはその本質的な部分であり、いつも新しい発見があるからです。

■来日は何回目ですか?日本にいらっしゃるとき、何か楽しみにしていることはありますか?

もう何回も訪れていますよ。いつも日本で演奏することを楽しみにしています。もちろんお寿司や天ぷらを食べることも楽しみです(笑)!

■コンサートは、ザ・シンフォニーホールで行われます。聴きに来られるお客さまに、メッセージをお願いします。

まず、このコンサートにご来場くださる皆さまに感謝いたします。私は音楽が、現代人が過ごす多忙を極めた生活からほんのひと時でも開放してくれるものであればと考えています。そして私が、大好きな作品のひとつであるベートーヴェンのコンチェルトの演奏を楽しむように、皆さまにもこの作品を楽しんでいただけることを願っています。

第225回定期演奏会

2018年5月31日(木)

17:00開演(18:00開場)

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